特集|各診療科と研修の魅力
那須赤十字病院 小児科

竹田 圭恵

那須赤十字病院

豊富で多彩な症例数、充実の教育体制
人があたたかく和やかな雰囲気も魅力、小児科医を目指すなら栃木県で

那須赤十字病院 小児科
竹田 圭恵(たけだ・たまえ)先生
出身地:栃木県野木町
出身大学:獨協医科大学医学部(2019年卒)
認定医・専門医:小児科全般
資格:PALSプロバイダー

一般診療から専門医療まで、小児科領域を幅広く経験

私は栃木県出身の地域枠医師で、初期研修は卒業した獨協医科大学で行いました。3年目は獨協医科大学の小児科に入局し、2022年4月より派遣で「那須赤十字病院」の小児科に勤務しています。「獨協医科大学病院」での初期研修は、指導医の先生方をはじめ、院内全体の雰囲気が温かく、教育体制やフォロー体制が充実していたため、安心して学べる環境だったと感じています。
小児科は医学生の頃から興味を持っていました。手を動かす外科よりは、じっくり考えながら診断、治療を決めていく内科系のほうが自分に合っていたこともあり、将来は内科か、子どもが好きだったので小児科に進もうと考えていました。初期研修で小児科を経験した際、子どもと触れ合うことがとても楽しかったですし、病気で大変な子どもたちを自分の力で笑顔にしたいという気持ちが強くなりました。小児科の雰囲気も良く、指導医や上の先生方も非常に教育熱心であり、そうした環境にも惹かれて3年目は獨協医科大学の小児科に入局することを決めました。

現在、勤務している「那須赤十字病院」は県北地域で唯一、三次救急に対応できる救命救急センターが設置されており、県北地域の小児医療拠点として幅広い小児症例が集まる病院です。新生児期から15才までの広い年齢層の患者さんを診ており、発熱や咳などの一般的診療や入院治療はもちろん、新生児医療ではNICU(新生児集中治療室)3床とGCU(新生児回復室)6床を有し、早産児や低出生体重児、重病の新生児の治療など、専門性の高い小児医療にも対応しています。
こうした環境は小児の一般診療を豊富に経験することができますし、かつ、急性期疾患や難しい疾患など専門性の高い小児症例も診ることができるため、小児科医を目指している若手医師だけではなく、ある程度経験を積んできた小児科医にとっても大きな学びを得られる環境であり、研鑽や成長の場としても最適だと思います。

主体性を発揮しやすい、雰囲気の良さも大きな魅力

「那須赤十字病院」は初期臨床研修病院であり、研修医の先生方には必須研修として小児科を4週間経験していただきます。一戦力として実践経験をどんどん積んでいただく方針であり、救急外来では研修医の先生にファーストタッチをしてもらい、どのような検査や処置が必要なのかを自ら考えることで医師としての基礎力をしっかり養うことができます。お子さんの病状や診療方針など、ご家族への説明にも立ち会ってもらいますし、実際に説明してもらう機会もあります。もちろん、私たちがチームとしてしっかりフォローするため、安心して研修に臨むことができる体制にありますし、わからないことがあればどんどん頼ってもらいたいと思っています。
必須である4週間の小児科研修だけではなく、当院の初期研修プログラムには14週間の自由選択が設けられているため、小児科に興味をもった先生や小児科志望の先生は追加で小児科を回ることができます。そういった先生方には、個々の能力によって診療を任せたり、カンファレンスの司会を担当してもらったりと、より濃密な経験を積むこともできます。

食事をテイクアウトして医局のラウンジでみんなと一緒にご飯を食べたり、小児科医の異動の時期には送別会に参加してもらったりとアットホームで和やかな環境も特徴です。部長や上の先生にも気軽に相談ができますし、コミュニケーションも活発なので、最初は遠慮がちな研修医の先生も打ち解けることができるなど、個人的に小児科の雰囲気は抜群に良いと思っています。

女性医師も活躍できる分野、子どもの笑顔が何よりのやりがい

私の一週間の勤務内容としては、週1回の午前中外来、週に1〜2回の救急外来、午後は予防接種や乳児健診などを担当し、それ以外は病棟管理などを行っています。「那須赤十字病院」の小児科の常勤医数は現在7名、うち4名が女性医師であり、診療体制はチーム制ですので誰かが急な事情で出勤できなくなっても、患者さんのことを全員が把握しているため問題なく対応できる体制にあります。診療科間の壁は低く、産婦人科と合同でハイリスクな妊婦さんのカンファレンスを行うなど情報共有も密にしており、他科との連携も非常にスムーズです。
休みも希望日に取りやすく、育休・産休、時短勤務はもちろん、当院には24時間体制の託児所が完備されているなど、育児中であっても安心して働くことができる環境が整っています。また、育児休暇や子育ての経験が、診療を行う際に患者さんの悩みへの共感・アドバイスに繋がるなど、人生経験を活かして活躍できることも小児科の特徴の一つだと思います。
小児科のやりがいは、子どもが元気になって退院する際、ご家族全員の笑顔を見られることです。子どもから折り紙や手紙など、手作りの感謝をもらったときはとても嬉しいですし、子どもたちの成長に寄り添えることも他科にはない大きな魅力です。
小児科は“子どもの総合診療科”と言われており、急性期から慢性期まで、感染症、免疫疾患、アレルギー疾患、神経疾患、心疾患、血液疾患、内分泌疾患、新生児医療とあらゆる領域を診ることができ、かつ、幅広い領域のなかから専門性を深めることもできるなど、キャリアパスが多彩であることも魅力です。

また、子どもだけではなくご家族の心情を理解しながら信頼関係を築くことや、病状、診療方針の説明などでは分かりやすい言葉で話をするなど、コミュニケーション力も大切です。さらに、子どもは成人とは異なり自分の気持ちを言葉で上手く表現することが難しいため、洞察力も必要となります。“子どもの総合診療科”である小児科では幅広い知識や診療力を身につけられるだけではなく、仕事をするなかで自然とコミュニケーション力や洞察力も習得できるなど、人間としても成長できる魅力の大きな診療科です。当院の初期研修で一人でも多くの方が小児科に興味をもっていただき、小児科の道に進む医師がたくさん生まれ、栃木県の小児医療を共に盛り上げることができたら嬉しいです。

MESSAGE

「研修環境」「働きやすさ」「暮らしやすさ」 すべてが栃木県の魅力です

「那須赤十字病院」だけではなく、栃木県の研修病院の特徴は多彩な症例を豊富に経験できることだと思います。また、栃木県は医師数が充足しているとは言えない状況のため、協力体制や助け合いの精神といったチーム力も強く、充実のサポート体制によって安心して診療に臨むことができる環境にあります。
さらに栃木県は“人柄の良さ”も特徴です。病院スタッフも、患者さんも人があたたかく、和やかな雰囲気のなかで仕事ができますし、忙しないイメージの都会とは異なり、栃木県は人混みも少なくゆったりとした環境にあるため、暮らしやすさも魅力だと感じています。栃木県の人柄や暮らしやすさに惹かれて、東京から栃木県の病院に来られている研修医や専攻医の先生も多くいらっしゃいます。栃木県は「研修環境」「働きやすさ」「暮らしやすさ」、すべてが魅力であり、自信をもって栃木県での初期研修、専門研修をおすすめします。

竹田 圭恵先生のオフ

趣味の映画鑑賞をしたり、友達とおしゃれなカフェや可愛いお店の多い黒磯に遊びに行ったり、夫と一緒に茶臼岳に登山をしたりと、オフも愉しんでいます。那須塩原や黒磯は秋になると紅葉が非常に美しく、インスタ映えする風光明媚なスポットがたくさんあります。美しい景色に囲まれた落ち着いた環境は、心身の疲れをいつも癒してくれますし、そうした環境が身近にある贅沢な暮らしも都会では味わうことのできない魅力ですね。

パンフレット「医心伝心トチギ医ズム2024 vol.2」で見る。